騙されないアメ車の買い方(1)

こんにちは。カオルです。

今回は、アメ車を買いたいと思っている人に向けて、

失敗や成功も含めて、経験したことを書いてみようと思います。

欲しいアメ車がある。だまされて悪い車をつかみたくない。満足できる良いアメ車を手に入れるためには、どうしたらいいのでしょうか。

中古アメ車屋は、普通の中古車屋ではない

これは最も強調しておきたい点なのですが、アメ車に関しては、国産の中古車を買うのとは全く別次元の世界であることです。

 

アメ車には、「新車並行車」と「中古並行車」の2種類があります。

新車並行車は、新車のまま日本に輸入されてきた車のこと。

中古並行車は、アメリカで使われていた中古車を、日本に輸入した車のこと。

 

そして、日本に流通している中古並行車は99.9%、走行距離が巻き戻されています。

 つまり、日本で流通している中古並行車は、原則買ってはいけないということ。

普通に国内USSのオークションで査定表がつけられていますが、その走行距離をさかのぼって調べてみると、私が調べた限り、100%メーターが戻っていました。

 

さて、なぜ走行距離が戻されているのが分かるのでしょうか。

それは、アメ車は本国でスモッグチェック(アメリカの車検のようなもの)や、売買、事故、整備等の記録と走行距離をDMV(アメリカの陸運局)に登録する義務があるためです。

 

それらの履歴は「CARFAX」もしくは「AUTOCHECK」で検索することができます。

どちらも有料ですが、現在は日本からクレジットカードで簡単に支払えますので、アメ車を買う時には必ず調べるようにしてください。

特に本命を買う時は両方で調べた方が良いです。(互いに情報が若干異なることがあります)

 

日本に流通している中古並行アメ車のVINナンバー(Vehicle Identification number)を入力すると、日本に輸出された時点の距離や、何の用途に使われていたか等の履歴が分かります。

 

日本での距離は40000マイル(6万4000km)だった車が、CARFAXにかけてみると実は140000マイル(22万4000km)だったりします。(この程度はザラです)

 

自分のロードマスターを探しているときに、CARFAXの使用料を払って国内の中古アメ車を片っ端から調べていったことがあります。

 

すると、出るわ出るわ・・・ほとんどの車が10万km以上巻き戻されてました。

しかも、CARFAXには用途等の詳細な情報も載っています。

 

こちらの車は、ニューヨークでの事故歴ありでした。

また、こちらは・・・

 

アメリカでリース登録されていた記録があります。

つまりリース上がりの車ですね。

走行距離は言わずもがなです。

 

その他も、

「lien」・・・ローンが払えずに差し押さえられた車

「taxi」・・・タクシーに使われていた車

「salvage」・・・廃車された車

「theft」・・・盗難車

などなど、ひどい経歴の車だらけ・・・

 

これらの車が輸入されて、日本でメーターを巻き戻してから、車検登録すれば、車検証上は、「新車」扱いとなり初回車検は3年から始まります。

 

また、外観上はキレイにしてあるので、ぱっと見では分かりません。

メキシコ等の人件費が安い国で、内装クリーニングとワンデーペイントという簡単な全塗装がされてから輸入されるからです。

 

 こんな車を買ったら、すぐ壊れるのは当たり前です。

 

そして、ネットを検索して出てくるアメ車専門店は、それらの車を「分かったうえで」平気で売っています。

 私の足で調べた限り、こちらも9割以上の店が、(しかもけっこうな有名どころでも)です。

 

まずはこの事実を知るところからです。

日本車は国内で流通している限り、相場表があり、年式と距離でほぼ値段が決まっています。(つまり、業者が値付けを間違えたりしない限り、掘り出し物というものは存在しません)

日本の中古車業界も決して健全とは言えないと思いますが、中古外車業界は国外から入ってくるため、国産よりもっと「怪しい」世界であることが分かります。

 

「悪徳中古車屋」は、残念ながら今でもなくなっていません。

 

「予算は?」と聞かれて答えてはいけない

だいたい、ネットで欲しいアメ車の目星をつけて、アメ車屋に行ったとします。

まず、希望の車種と年式を言うと、「予算はいかほど?」と聞かれます。

 

そこで「200万円!」と言ったとします。

 

業者からすれば、「はい一丁上がり!」なのです。

相手の懐具合が分かればこっちのもの。

 

あとは上記のように訳アリの車を100台単位で仕入れている業者から、安い希望車種を引き上げてきてから、「ちょうどご予算内でいい車が出てきました!頑張って値引きして、198万円です!」

となります。大体予算ギリギリか少しオーバーするくらいの値段を吹っかけてくることが多いです。

 

後でどんな故障が出ようが、知らぬ存ぜぬを通すだけです。

「訴えてやる!」と反撃したところで、「どうぞどうぞ、訴えてください」となります。

 

彼らはそんなこと、慣れっこですから。

「保証付き」の約束もどこへやら・・・ 

 

 こんな話は、90年代のアメ車(アストロ・ミニバン)ブームの頃から始まり、未だに被害が絶えません。よくある話なのです。

 

多分これが「アメ車は壊れる」風説を日本中に広まらせた元だと思います。

アメ車業界の現状

中古アメ車というのは、売り手が圧倒的に車の情報を握っており、買い手はほぼ情報を持っていません。つまり、簡単にお客を騙せてしまうのです。

 

これを「情報の非対称性がある」といいます。

 

このような業界で、まっとうな業者が適正な価格の中古車を売ろうと参入してきたとします。

 

しかし、このような世界では、粗悪車をつかまされるリスクも高くなり、売値はリスク込みの値段でどうしても高くなり、買取りはどうしても安くせざるを得なくなります。

 

つまり、お客さんはどうしても値段に目が行きますから、まっとうな業者は真っ先に撤退してしまいます。

 

 これを「悪貨が良貨を駆逐する」といいます。

 

そういうわけで、中古アメ車業界はこの泥沼から抜け出せずにいるのです。

全部の店がそうであるというつもりはありません。ただ、私の10数年の経験のもと、”ほとんどが”そうであると言わざるを得ません。

 

最近はCARFAXあります!と売り文句を上げるお店も出てきましたが、ピンクスリップがなければ同じです。(ピンクスリップとは、アメリカの車検証のようなもので、輸出時の走行距離を保証する書面。大体輸入後に店側で捨てられます)

 

どうすればいいのか

まとめますと、こうなります。

・新車が買える車種であれば、断然新車がいい(結局一番安くつくかもしれません)

 

・絶版車であれば、初期投資をかけてでも極上車を探す(断言できますが、安く良い中古車は存在しません)新車並行車から探す、もしくはアメリカから輸入する

 

・日本の中古並行車は相手にしない(ヤナセ、三井物産などの正規ディーラー車は除く)

 

・アメ車屋を選定するときは、予算を言わないで、必ず見積もりを依頼する(中には、見積もり書が書けないアメ車屋がいます。口約束で○○万円位ですよ!と言い続けたり、しつこく特定の車種を勧めてくる店はアウト。)

 

・ なんだかんだ言って見積もり書を作りたがらないところはやめた方がいい(彼らは車両の相場、整備の時間工賃の見積もり、部品代の相場の知識がなく、見積もり書が作れないのです。)

 

・特定のショップに欲しい在庫があった場合は、まず店員に「VINナンバーを教えてもらえますか?」と聞いてみる。(教えてくれない場合はやましきところあり。アウト。)

 

上記のことが、中古アメ車を買う上での基本になります。

 

次回は、私がロードマスターを買った経緯について書きたいと思います。

それでは、また。

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